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  • 「車内空間を広く」がコンセプトのBEV車開発もデザインと安全性能の両立に苦戦…

    窮地を救った、金属より高い衝撃エネルギー吸収性を発揮するCFRTPの実力とは

    自動車メーカーO社 開発部(先行開発グループ)

背景

自動運転対応の次世代BEVモデルを開発することになったO社。BEVならではの利点を生かし、車内空間を広く取ったデザインにすることになったが、安全面での課題が明らかになった。

課題

衝撃を和らげるためクラッシュボックスの大型化を図るも社内から反発が出て…

BEVはフロントにエンジンがないため、衝撃を受け止めるクラッシャブルな部分が多くありません。加えて、バッテリー搭載量の増加や自動運転に対応させるための部品増加により、車両重量はどんどん増してきます。更には車内空間を広く取ったデザインを採用するとなると、衝突エネルギー吸収性能をどのように確保するのかが安全面での課題となりました。対応を任された開発部では、まずフロントクラッシュストラクチャーの構造を見直すことにしました。

先行開発グループのリーダーであるT氏は当時の様子を以下のように振り返ります。「金属製バンパービームを用いたフロントクラッシュストラクチャーの衝突エネルギー吸収性能を上げるため、クラッシュボックスを大型化することにしました。ところが、クラッシュボックスの吸収性能向上にはストロークの延長が効果的であり、それによって車内空間が圧迫されるため、社内から『コンセプトとデザインを犠牲にするな』との意見が挙がったのです。」

「自動車にとって何より優先すべきは安全であることです。私たちは安全性能を確保するため、新しい自動車用素材の情報を収集しつつ、デザイン面での妥協を図ることも検討し始めていました」(T氏)
課題のポイント
  1. エンジンがないBEVではフロント部の衝突エネルギー吸収性能の確保が難しかった
  2. クラッシュボックスを大型化することにしたが、車内空間が圧迫されることになった
  3. フロントストラクチャーの形状を変更しデザインと安全性能を両立させようとしたが、うまくいかなかった
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