プラスチックの中でも熱に強い熱硬化性プラスチックが、自動車向けに使われ続けています。しかし、熱硬化性プラスチックは熱可塑性プラスチックのようなリサイクルが難しく、廃棄の際には焼却か埋め立て処分となっているのが現状です。そのため、熱硬化性プラスチックの使用はCO₂削減にはつながらない、というのが従来の認識でした。
そんな中、この分野での研究を続けたTeijin Automotive Technologiesは、2021年、熱硬化性プラスチックのリサイクル技術という新たな開発を成功しました。
これまでの熱硬化プラスチックのリサイクル技術では、投入するエネルギーの量が多いわりに、再生される材料では耐熱性や強度が大きく低下する、という問題がありました。Teijin Automotive Technologiesが新たに開発した工程は、触媒技術を活かして少ないエネルギーで熱硬化性プラスチックの結合を切断し、さらに再合成して元の材料と同等の熱的・機械的強度を持った製品にリサイクルすることができます。
現在はこの技術の実用化に向けた、さらなる開発を継続しています。
このようにTeijin Automotive Technologiesでは、長年培ってきた素材技術、高分子技術を活用して、持続可能な材料を自動車産業や他のさまざまな産業に供給しています。こうした取り組みが、カーボンニュートラル社会の実現に向けた大きな貢献につながること、それがTeijin Automotive Technologiesの願いです。