大気中のCO₂増加による地球温暖化現象は、もはや否定しがたい影響を地球全体の気候に及ぼしています。このままCO₂の排出量が増え続けてしまうと、21世紀末には20世紀末と比べて、世界の平均気温は2.6~4.8℃も上昇し、この影響で平均海面水位は最大82cm上昇する、と言われています(IPCC第5次評価報告)
このような破滅的状況を防ぐため、国連をはじめ複数の国際的な組織が、CO₂排出量を削減するための枠組みを決めています。たとえば、欧州委員会は2030年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で65%削減することを求めています。こうした取り組みの多くが最終的な目標とするのが、「カーボンニュートラル」。すなわちCO₂を排出する量と、植物などが吸収する量とでプラスマイナスゼロになる状態です。
このような国際的枠組みは、今日の企業活動にも大きな影響を与えています。
例えば自動車産業。2020年の世界の輸送部門のCO₂排出量の77%を占め、環境負荷が大きい産業分野と言われます。そのため自動車メーカー各社では、カーボンニュートラルに向けた独自の取り組みを、積極的に展開しています。