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  • 熱硬化性プラスチックのリサイクル技術を開発!

    Teijin Automotive Technologiesが開発を進めるカーボンニュートラルへの取り組みのひとつとは

イントロダクション -国際的枠組みの中で-

大気中のCO₂増加による地球温暖化現象は、もはや否定しがたい影響を地球全体の気候に及ぼしています。このままCO₂の排出量が増え続けてしまうと、21世紀末には20世紀末と比べて、世界の平均気温は2.6~4.8℃も上昇し、この影響で平均海面水位は最大82cm上昇する、と言われています(IPCC第5次評価報告)

このような破滅的状況を防ぐため、国連をはじめ複数の国際的な組織が、CO₂排出量を削減するための枠組みを決めています。たとえば、欧州委員会は2030年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で65%削減することを求めています。こうした取り組みの多くが最終的な目標とするのが、「カーボンニュートラル」。すなわちCO₂を排出する量と、植物などが吸収する量とでプラスマイナスゼロになる状態です。

このような国際的枠組みは、今日の企業活動にも大きな影響を与えています。
例えば自動車産業。2020年の世界の輸送部門のCO₂排出量の77%を占め、環境負荷が大きい産業分野と言われます。そのため自動車メーカー各社では、カーボンニュートラルに向けた独自の取り組みを、積極的に展開しています。

持続可能な材料の必要性

自動車メーカーのカーボンニュートラルへの取り組みとしては、ガソリン車の燃費性能向上や、EV、燃料電池(水素)車などの走行時にCO₂を排出しない自動車の開発が思い浮かびますが、それだけではカーボンニュートラルを達成することはできません。自動車やそれに使われる部品の製造工程において、CO₂が排出されるからです。そこで、多くの自動車メーカーは、持続可能な材料を積極的に採用するなどの取り組みを始めています。

具体例としては、石油から製造されるプラスチックの替わりに、廃プラスチックから再生されたものを使用することが挙げられます。
熱を与えると溶融し、再成形することができる熱可塑性プラスチックは、リサイクルすることができるため、自動車にも使いやすい反面回収サイクルが確立できていない事と、改修後の分解、分別が煩雑であることから自動車におけるリサイクルプラスチックの使用率が伸び悩む原因となっています。

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